絵本作家、イラストレーターとしても著名なたむらしげるの映像作品。ガラス化した海から出現したクジラが半日かけてゆるやかに空を駆ける様子を、時が止まったかのように表現している。作者は、3DCGの透明感・立体感表現をあえて動かぬ海や氷山の描写にとどめ、人物やクジラや船には手描きの味を残すことで、鑑賞者を異世界にいざなう。それは、アニメで書いた詩、真のファンタジーの創造、とも言える。