芥川賞作家・高樹のぶ子が自らの幼少時代をモデルに描いた小説「マイマイ新子」をアニメ映画化。昭和30年代の山口県防府市国衙(こくが)を舞台に、小学3年生の多感な少女・新子が、千年前の町の姿に想いを馳せながら、豊かな自然の中で仲間たちと成長していく姿が描かれる。連綿と培われてきた児童向けアニメーション映画の正統な後継者とも言える一作。過去と現在が同時に存在するかのような演出は、「童心」の本質を的確に射抜いている。